発達障害と栄養 5
リーキーガット症候群を引き起こすカンジダ菌
以前書いたブログで、リーキーガット症候群を引き起こすカンジダ菌について少し書きました。
今回はその続きで、踏み込んだ難しい内容になりますが、
カンジダ菌がどのようにして腸内に影響を与えるか研究されてる内容も含めて書こうと思います。
自閉スペクトラム症や自己免疫疾患などの研究をおこなうグレートプレインズ研究所の創始者で、生化学者であるウィリアム・ショー博士は、カンジダ菌の腸内での増殖は、自閉症に共通した状態であり、菌が放出した毒素が発達障害の症状を悪化させるとも述べています。
カンジダ菌はアルコールやホルムアルデヒドなどの有毒な代謝物を生成しますが、
それらは町から吸収され血液中に流れ込みます。
そして、脳に到達して悪影響を与えるようです。
ここからさらに難しい話になりますが、
カンジダ菌の代謝物がいかに脳に悪影響を与えるかということについて、ここでさらに詳しく取り上げていこうと思います。
先ほどのショー博士によると、カンジダ菌は異常な糖誘導体(糖分の一部を変化させてできる化合物)を生成し、これが糖の一種であるアラビノースに変換されます。そのアラビノースが最終的に形成する生成物にペントシジンという物質があります。
ペントシジンは、タンパク質の機能を変化させる性質があり、神経原繊維変化の形成に関与していると言われています。
神経原繊維変化とはアルツハイマー型認知症の脳全体で見られる神経の変化で、これが起こると神経細胞は正常に機能しなくなります。
つまりカンジダ菌の代謝物が最終的に脳細胞の機能を破壊し、脳の構造を変え、発達障害の子どもによくあるような認知障害を引き起こす可能性があるのです。
ちなみに、発達障害の人の脳のチューブリン(神経細胞の一部であり、神経突起の成長を促す)に水銀の害が及ぶときも同様の神経原繊維の変化が観察された、という報告があります。
カンジダ菌の害はそれだけではなくありません。カンジダ菌から放出される有害な代謝物は腸の粘膜に炎症を引き起こします。炎症があると腸の粘膜は荒れるため、これもリーキーガット症候群を発症させる原因の一つになります。
このようにカンジダ菌は、発達障害の根本的な原因ではありませんが、症状を悪化させる大きな要因となるのです。
実際、多くの発達障害の子どもがカンジダ菌増殖の問題を抱えていることが検査などによりわかっています。