発達障害と栄養 4
今回は、リーキーガット症候群の原因となろうる『カンジダ菌』のついてお話します。
カンジダ性皮膚炎、カンジダ性膣炎などの原因となる真菌(カビの仲間)です。
私たちの体は他の細菌と真菌が共存している状態が普通であり、腸内のカンジダ菌も体が健康であれば善玉菌と共存しているため、特に問題をもたらすことはありません。
しかし、
何らかのきっかけで腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、体に害を与えるほどにカンジダ菌が増殖します。
そのバランスを崩すきっかけの一つが、以前のブログで書いた、腸の粘膜機能を低下させる原因として挙げた抗生物質です。
リーキーガット症候群を引き起こす抗生物質についてのブログはこちら
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発達障害の子どもは免疫力に問題があることがわかってきています。
発達障害のある子は耳の感染症になりやすい、という指摘もあります。
そして、風邪や中耳炎などの感染症で医師にかかると、必ずといっていいほど抗生物質が処方されます。
そこで問題となるのが抗生物質なのですが
抗生物質は病気の原因となる細菌を死滅させる一方で、腸内の善玉菌など体に役に立つ細菌にまで影響を及ぼします。
抗生物質により善玉菌の勢力が弱まってしまうと、カンジダ菌が増殖し始めます。
いったんカンジダ菌が増殖すると、再び善玉菌が元の勢力を取り戻すのは容易なことではありません。
こうして
一度、抗生物質からの被害を受けただけで善玉菌の勢力が弱まり、腸内の免疫力が低下します。
すると、感染症にかかりやすくなり、さらに抗生物質が必要になるという悪循環に陥ってしまうのです。
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カンジダ菌増殖
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感染症にかかりやすくなる
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カンジダ菌のさらなる増殖
というサイクルになるわけですね…。
このような「抗生物質による免疫力低下」という悪循環は誰にでも起こりえますが、
発達障害の子どもには特に深刻な影響を与えるようです。
次のブログで、よりカンジダ菌についての研究に関するお話をしようと思います。
※参考文献