作業療法士は「誰」を支援するの?
以前のブログで、作業療法士が支援する3つのことを書きました。
では具体的に誰を支援するか、書きたいと思います。
それは、疾患や障がいの有無にかかわらず
作業に問題がある人(たち)
です。
「あれ?疾患や障がいがある人を支援するんじゃないの?」
と思われた人もいるかもしれません。
作業療法の対象となる作業に問題がある人とは、具体的には次のような人です。
- したいことができない人
- したいことができるけど、うまくできない人
- することが見つけられない人
- しなければならないことが多すぎる人
- 自分にとって意味の感じられることをすることができない人
- 自分で自分のしたいことがわからない人
- 自分にはこれしかできないと思わされてしまっている人
- 自分に何ができるかわからない人
作業に問題があることを
作業療法では「作業機能障害」といった言葉で表したりします。
多くの作業療法士は、疾患や障がいがある人の支援をおこなっています。
それは疾患や障がいがある人がこれらに内容のほとんどに当てはまるからです。
しかし
ここに挙げた作業療法の対象となる人は、必ずしも疾患や障がいを持っている人ばかりではありません。
例えば‥‥
仕事一本で毎日を送っていた人が定年退職などで仕事を辞めたとたんに、自分にとって人生の目的や意味を感じらるものがなくなることがよくあります。
息子が結婚し、息子夫婦が家事をしてくれるようになったのでやることがなくなり、他に何をしていいかわからない人もいます。
高齢者の場合、病気はないけれど
加齢に伴ってそれまで担ってきた役割をやめることによって、自分の支えとなる作業を失ってしまう人は少なくありません。
また、していたことが大変になったためにやめたが、他にしたいことが見つからないでいる人もいます。
このように作業に問題がある状態が続くと、身体的にも精神的にも能力が低下するため、健康を損ね、病気になる人が少なくありません。
そこで現在は、まだ病気になっていないので健康だと思われているが作業に問題があるという人の健康増進にも作業療法士が関わるようになりました。
また個人だけに対してではなく、集団に対しても介入・支援をおこないます。
作業療法士が関わる分野は非常に幅が広く、面白い職業だと思ってます。